二年間の技術進歩を感じられるモデル
セイバートリックプロ、アトミック・ファイヤー以来となる3Dプリンター製ヨーヨー。プラヨー好きとしても、YJ推しとしても欲しかったので即購入。軽くレビュー。 見た目は前作のアトミック・ファイヤーにそっくりだが、実は各スペックの数値は小さくなっている。つまりサイズダウンしているのだ。重量は約2g、直径は約1mm弱、幅は約2mm近く減少。全体的に縦長な風貌になった。3Dプリンターヨーヨーの宿命ではあるが、若干の糸くずっぽい残りや加工痕は使用中はそこまで気にはならない。大柄なヨーヨーだが手に持ってみると実重量に対してそこまで重さは感じない。投げてみると、一振り目から精度の違いが分かった。明らかに良くなっている。個体差はあるかもしれないが、少なくとも目視で分かるようなブレは見受けられないし、ストリングを伝わってくる振動は確実に小さくなっている。更に動かすと大きさに反してそこまでもっさり、という訳でもない。アトミック・ファイヤーとは少しの差ではあるが、小型化したことでより機動性が良くなっている。それでいてスリープの伸びは据え置き~微増程度に上昇。間違いなく精度上昇による恩恵だと思われる。また今作は最近YJで採用し始めたチルトパッドシステムを採用しており、パッド部分に傾斜が付きバインドはしっかりかかりながらトリック中はスベリも確保するという機構が搭載されている。メタルヨーヨーだと分かり辛いが、今作だと目視で傾斜が付いているのが良く分かる。付属の細いストリング(Kストノーマル相当?)でもちゃんとバインドがかかり、Kストファットでは非常に戻りが良くなる。バインド初心者にはファット、ファットよりもスベリを重視したいならノーマルと言った感じで使い分けると良いだろう。バインド初心者用というが、バインド取得後もしっかり遊べるだけの強度や性能を持っているので単なる一発屋の機種ではない。注意点と言えば、ベアリングロックの形状が独特なのでマルチツール等のベアリングリムーバー等は使用できない。これは前作と同じで、外す場合は薄い布やティッシュ等でベアリングを包み、ペンチを使って外すしかない。力加減に注意する事。もう一つはボディの締めこみ。頑丈な3Dプリンター製とはいえ、子供でも本気で締めこむとアクセルやパーツが結構グイグイいってしまい、形状が潰れてしまったり破損する危険がある。それなりの力で締めこんで動かなくなったらそれ以上無理矢理締めこむのはよそう。 正直な所、そこまで期待していなかった機種だが、第一投からその進化を体験することができて面白かった。前作から二年、着実に経験は蓄積され、技術も進歩している。値段こそ上がったが、それでも最近のプラヨーの中では安価なので依然として手に取りやすいのもプラス要素。3Aは大きさ的に厳しいが、5Aなら慣れれば十分に代用が効きそうだし、サクラストリームやワンスター以外の貸出用として買っておくのも悪くない。なにより未だ数の少ない3Dプリンター製ヨーヨー、興味が少しでもあるなら手に取ってみることをお勧めしたい。