奇異な構成とは真反対の真っ当ヨーヨー。ある種の夢を叶えた機種
結構前に練習会で振らせていただいてから興味が湧き、ようやく購入。軽くレビュー。 自分は最近5Aを練習しつつあるが、まず慣れる為にプラヨーのファーストベース(メーカー:リセス)を使っていた。しかし慣れてくるとスリープの伸びが足りない。かといってメタル版のジョイライドは既に売り切れ、リトルリーグを買おうにも5Aの為だけに買うのも・・・と足踏み状態。そんな時、大抵の人はこんなことを考えないか。「メタルのスリープの伸びを持つプラヨーはないか」なんなら5A以外、3Aや1Aでもいい。近年、プラヨーはメタルに劣らない進化をしてきた。スピホリXXやシューティングスター、ラフトヴァークコラボのプラヨー等、値段も上がってはいるが十分競技に耐えうるプラヨーが出てきた。スリープの伸びもメタルに近付いてきた。それでも、やはりプラとメタルには決定的な違いがある。フィーリングや重量配分だ。どれだけスリープが伸びようともプラヨーはプラヨー。重量配分も基本的に外周寄りとはいえ材質の密度・強度の違いはどうしようもできないし、フィーリングもメタルの硬さ・重たさを再現はできない。ヨーヨージャムが発展させてきた「金リム」はプラヨーの能力を大きく向上させたが、あくまで「金リム」であって「プラヨー」とは違う。スピホリFXやアイスバーグのようなアウターリムヨーヨーはスリープの伸びこそメタルに匹敵するが異質の材料を組み合わせることでフィーリングはプラヨーとは異なってしまう。プロトスターやソニックウェーブのようなインナーリムはフィーリングこそプラヨーだが重量バランスはバイメタルに近くなってしまい、違和感が出てしまう。中にはYJヨーヨーのリムサートのような機種もあるが、それでも「伸びはメタル・フィーリングはプラ」を再現できた機種は無いと個人的には思っていた。そこに、このアンチモノが現れた。YJのリムサートはステンレスリムをプラで覆った構造だが、こっちはモノメタルを丸ごとプラ(ポリカーボネート)で覆っている。今までありそうで無かった発想だ。このおかげで見事に「モノメタルのスリープの伸びや重量配分を維持しつつ使い勝手(触り心地や振っている感触)はプラヨー」を実現している。細かく言うとフィーリングは若干軽め。最外周がプラだからか65gには思えないくらいにサクサク動く。キャッチの際やストリングヒットの柔らかさはは紛れもないプラヨー。なのにスリープの伸び・粘り・芯はしっかりモノメタル。使い込むほど、振っていくほど、この違いが面白い。自分自身、プラヨーが好きなのでメタルとプラの違いは嫌程感じてきた。2020年に復帰して4年目、ようやくある種の夢を叶えた機種に出会えた・・・と壮大に書いているが、そんなこと抜きに普通に優良機種。コンセプト倒れにならず、しっかり使える性能をしているので変わり種目的で買った人もそう簡単に飽きたりして手放すことは無いだろう。5Aや3Aでもダイスやヨーヨー同士の接触で嫌な金属音が出ないのも魅力。3Aはちと厳しいかもしれないが5Aは有用性が高そうだ。勿論1Aでもしっかり使える。軽めのフィーリング・・・まあぶっちゃけプラヨーの様な使い勝手ながらスリープの伸びはしっかりモノメタルなので練習程度なら十分使える。その特殊性故に少々割高でこれを書いている時点で残りカラーも少ないが、買って損は無い機種だと思う。迷っているなら是非買ってみてほしい。