シンプルなのに奥深い、文字通りのアビス(深淵)のようなヨーヨー
普段はあまりシグネチャーモデルを狙わない自分が、ファクトリー日本メンバーでも古参(と思われる)メンバーの野田選手のシグネチャーモデル、しかもSUSさん監修ということで興味が買って購入。軽くレビュー。 商品説明からして恐らくベースモデルはキャピタルだが、面影は曲面程度で大分現代風・競技用にリデザインされ、数値スペックもトレンドに合わせた突出したものが無いものになっている。九割近くが曲面ながら僅かにリムの内外にカット部分があり、単純な曲面設計ではなさそう。競技ヨーヨー・シグネチャーモデルでは珍しい(?)ラウンド主体モデルで、持ち心地は優しい。使い心地はまず何よりも『軽い』の一言に尽きる。ただ、従来の軽量モデルとは一線を画した使い心地になっている。SUSさんのコメントでもあるように、最早重量をとばして存在感を希薄にし、それでいて回転力はキープするという、矛盾する点を両立している。63gと軽量級ながら、だからといって軽くて位置が分からないということは少ない。俗に言う『芯の通ったフィーリング』という物だと思う。リムに重量が乗って回転は強いのに、その回転力を感じさせない。使っていて軽いヨーヨーのストレスを感じさせない、不思議な使い心地のヨーヨー。実際にスリープの伸びも軽量モノメタルでは素晴らしく、手癖のコンボをしても余力は十分だった。軽さを活かしての高速コンボやダイナミックプレイも狙えるし、スリープの伸びを使って緩急のあるトリックも狙える。使い心地も優しく軽量機種の変な癖もない。価格も安定の6000円帯。初心者や最初の一個にも勿論だが、個人的には競技選手や腕のある人に手に取ってもらいたい機種だと感じる。敢えてのモノメタル。敢えてのラウンド形状。何処か懐かしさすら感じるシンプルな形状なのに、使い込むほどその不可思議な性能に魅入られていく・・・まるでアビスを探っていくような感覚を是非体験して欲しい。