トランスミッションの好みによって好き嫌いが分かれそう
五月が誕生日ということで何か奮発して買おうと思って思案した所、久しぶりのデルフィニウム以来に実用的チタンが欲しいと思いこれに至った。三居さんオーダーというのもあり興味も十分。チタンということで初心者ながらなるべく詳しくレビューできたらと思い書いていきたい。 まず前提としてSUS002トランスミッションのチタンバーションなのだが、トランスミッション自体が非常に素晴らしい機種である。自身もレビューしたのだが、このサイズながら幅広で、重量がありつつも軽快かつ浮遊感溢れるフィーリングが振っていて気持ちいい。しかもスリープの伸びも素晴らしく、普段使いにもフリースタイルにも使える万能さ。そして三居さんが公言するお気に入りの機種でもある。スペック的には幅が1mm狭くなった以外はほぼ変わりは無い。見た目的にはサイドフェイスの中心がより削られて軽量化しており、リムの厚みが薄くなっている(約6mm→約4mm)。なので持ってもさして違和感は無いが、雰囲気(材質?)的にちょっと詰まってる感、カッチリ感がある。 ここまではほぼ変わり無しだが、振ってみると大分イメージが違った。前述したとおりトランスミッションが重量に反した軽快な使い心地なのに反し、ハイギアは「重量通りのドッシリフィーリング」という真逆の物。リムが薄くなっているのにリムに重量感をしっかり感じ、動かす際の挙動が一手一手ハッキリしている。トランスミッションの頃からスリープの伸びが素晴らしい故に比較してしまうと微増位に思えるが、ハイギア単体で見ても伸びはトップクラス。材質抜きにモノメタルでも最上位付近の伸びを見せる。なので性能に関してはお墨付きである。流石SUSさん。個人的には遊び・楽しみ要素を排してひたすら競技スペックに振った感覚。ドッシリ感とはいうがサイズ感からか不思議と動かし辛さは少なく、トランスミッションに比べて動かしている際の安心感・安定性は格段に上がっている。53mmという小さめの直径が細かいトリックや複雑な動きでも邪魔にならず、このサイズながらも46mmの幅が安心感を与えてくれる。そして小型ヨーヨーにあるまじき重量感とパワーでダイナミックなプレイでも位置を見失わずに使うことができるだろう。商品説明通り、チタンだからと臆せず普段使いとしてどんどん使っていくのが吉。チタンヨーヨー最初の一個としても比較的安価ながらしっかりした使い心地なのでオススメ。余談だが分解時にベアリングまわりが若干オイルっぽい感じがしたので洗うなりベアリング脱脂やピクセルベアリング等の高性能ベアリングに換装するのを推奨。 さて、ここまで書いてあれだが一番の問題は「性能はトランスミッションの純粋なアップデートながら使い心地は正反対」というところである。自分自身結構面食らったのだが「これはこれで」と受け止めている。トランスミッションを振ったことが無い・そもそも持っていない人なら特に問題は無いが、トランスミッションが好きで買った人だと大分狙いが外れるだろう。練習会でも何人かに振ってもらったが、トランスミッションを知っている人だと「なんか・・・ね」「ちょっと疲れるかも」と気後れするコメントもあった。逆に「トランスミッションの形状は好きだけど軽すぎるフィーリングが好みじゃない」という人は刺さるかもしれない。出来る限りフィーリングを維持してもっと回したいという人はクロスレシオの方がオススメである(売り切れ中だが) 最後に、三居さんにこのオーダーの理由を練習会で聞いたところ「チタンならもっと回るんじゃない?(意訳)」という単純な理由でSUSさんに頼んだとの事。けれども出されたものがゴリッゴリの実戦仕様になったのでボスJDS以上に目論見が外れてしまったよう。やっぱりトランスミッションがいい・・・とのことです。