日常に溶け込む機種
競技志向のストリングトリック機種は本当にたくさんある。軽いもの、重いもの、大柄なもの、小柄なものなどそれそれ個性は様々で、それぞれのプレイヤーの好みに合わせて選ばれる。例えば僕にとっては重めでパワー重視なものが好みだったりする。でもそれを普段ダラダラと振ったり、日常的に持ち運んで振ったりということは少ないんじゃあないかと僕は思う。最近ではワンドロップのパノラマやジオラマ、ヨーヨーファクトリーのキャピタルやコミューン、CLYWのディッチやビーターのなど日常の中で振ることを重視したカジュアル寄りの機種も増えており、SNS等で話題に上がることも少なくはない。それら影に隠れて話題に上がることが少ない機種がこのカンバージョンである。緩めの曲線を描くラウンド形状+フラットリム+メタルキャップ+幅狭。他の機種にはあまり見られない組み合わせの要素たち。しかし、幅狭かつフラットリムというシルエットから生まれるパワーとメタルキャップのふわふわとした中空感がバランスよく混ざり合い、ストレスフリーな柔らかい使い心地になっている。また、引き戻しとバインド仕様の切り替えのためのアクセルとベアリングも付属しているのも嬉しいところ。その影響かバインド仕様の状態でも若干戻りが強めなので、ゆる投げからでもちゃんと手に戻ってきてくれるのもカジュアルに使用する際の利点と言えるだろう。一方で競技志向の練習はあまり得意ではない機種なので、フラットリムのパワーによるロングコンボ適性を求めている人にはもしかしたらハマらないかもしれない。あくまで僕個人の予想なのだが、このフラットリムは強いパワーを追い求めたものではなく、ゆるいスローでも安定感を得られるようにというものなんじゃあないかと。いろんな方に、是非とも力を抜いて振ってみてほしいヨーヨーである。