
ブースト雑記・解体と考察
前回の罵詈雑言から頭も冷え、改めてこの機種に向き合ってみた。これはレビューではなく雑記であり、参考と言うよりは自身がやった記録として残すメモみたいなものである。「ふーん」くらいに流し読みしてくれたら幸いである。あと不確実な考察も入っているのでそのあたりも真剣に受け止めず話半分くらいに思ってくれれば。最後に、もしリワインドでアクセルブーストを買っても問題点や不満は『絶対に』バンダイの方に問い合わせるようにしてほしい。 いきなり本題に入るが、Xや練習会の人々の情報をまとめると結局の所、ブレの要因はアクセルディスクのようだ。コイツが回転中のヨーヨーと干渉して酷いブレを起こしているらしい。このディスクの精度がそこまで良くないのも影響しているっぽい。難しい理屈は分からないが、まあそういうことだそうだ。じゃあアクセルディスクを外せばいいんじゃ?と思うがそう簡単な問題ではない。ネジを外してディスクをとってもアクセル公式サイトの図面で言うホルダー部分のベアリングにほぼ完全に外せない形ではめ込まれているからである。まあ玩具なので安全性は第一だからこれは仕方がない。ならディスクとホルダー無しならどうか?これもノーだ。アクセルブーストのアクセル(軸)は競技ヨーヨーのようなタイプではなく、ルーピングヨーヨーやサクラストリーム、JTのオフストリングにあるようなナットとネジで締めるタイプであり中で固定されていない。構造的にホルダーが蓋になっており、これが無いとネジとナットがボディから外れてしまうのだ。まあ注意深く組み立てればそこは問題ないが、この状態だとブレないかわりに軽すぎてスリープが伸びない。恐らくスピンスターと同等かそれ以下くらいにしか回らない。なのでやはり理想はディスクのみ外した状態である。じゃあどうするか。バラす(破壊する)しかあるまい。自身のサベージフェンリルを犠牲に写真を撮影。一応それもアップロードしておく。アクセルディスクは中央のベアリングに外側から軸が刺さっており、裏側からプラ素材のリングで抜けないように固定されている。(写真三枚目参照。右二個はバラしたサベージフェンリル、左はバラした分補填用に買い足したアビスデーモン)なのでそのプラ部分をマイナスドライバーやニッパー、ペンチ等で破壊し、細いドライバー等で軸を叩いてベアリングから外した。かなりガッチリはまっており、ホルダーとディスクの間にドライバーを差し込んで無理矢理こじ開けるくらいしないと外れない。なのでホルダーには傷がつくが、正直今更自分にはそんなもん些事である。そしてディスクを外したら再びネジ止めして組み立て。(写真一枚目、二枚目参照)これでどうなったかと言えば・・・完璧である。恐らく個体差はあるだろうが、自身の個体はほぼブレ無し。それでいてスリープの伸びも歴代アクセルシリーズに引けを取らない。前回の罵詈雑言のレビューの中で書いた「歴代最高傑作」と言える出来となった。性能的には「スピンスター以上アロー以下」くらいの性能。競技プレイヤーからすると低いじゃねえかそれ、と突っ込まれそうだが玩具であるアクセルブーストで競技ヨーヨーに迫れるのだからむしろ賞賛すべき。やっぱり機種の素質的には素晴らしいものを持っていたが、皮肉にもそれをダメにしていたのがアクセルシステムという矛盾。Xでは一部で自分と同じように分解し、自身で加工した金属キャップをはめ込んだりする猛者もいるが、さすがにそこまで行くと一般人には無理な話。今更な話だが、分解は自己責任である。自分は使えなくなるのを覚悟の上で(3700円をドブに捨てた上で)行ったので、もし分解して使えなくなった・元に戻らなくなった等の苦情を言うのは絶対にしないように。 もう一つの要点、パッドについて。実はアクセルブースト、設計にヨーヨーリクリエーション(JNで優勝したナカムラリュウイチ選手や世界チャンプのミウラハジメ選手が所属する日本競技ヨーヨーメーカー)が関わっているとの噂がある。あくまで噂なので自分も信じている訳では無いが、ヨーヨーリクリエーションが発売している初心者向けヨーヨー「ファイブ/5IVE」という機種のレスポンスが恐らく流用・応用されているっぽい。このファイブもアクセルブーストと同じくサイズAベアリングで引き戻し仕様の為、構造的・技術的には使えたのかもしれない。実際に某所でファイブを購入し精度ガバガバのプラノギスで内径・外径を測ったが、ほぼ一致した。(写真四枚目参照)流石に厚みまでは分からないが、ファイブのパッドが使用できることが分かった。そのファイブのパッドはヨーヨーショップスピンギアにて扱っているので、もしパッドに細工して取り返しがつかなくなった人はそこで取り寄せれば何とかなるかもしれない。 今の所自分はパッドの出っ張りをデザインナイフでツラ位置に切り落とし、半バインド機種として使っている。元々最初に検証したパッドの出っ張りがブレに関係するかどうかで切り落とした産物なのだが、これはこれで結果的に面白くなった。ツラ位置で切り落としてもパッド自体がかなり柔らかい影響か、戻りはかなり良い。むしろ良すぎるくらい。Kストノーマルで使っているがこれでも少し太いと思える程には戻りがいい。元々引き戻し機種として作られているのだからギャップは狭くて当然だが、これだとルーピング用のストリングでも一番細い位でちょうどいいんじゃないだろうか。これでサイズAの曲面ベアリングがあればパーフェクトだったが残念ながら調べた限り今はどこも扱っていないらしい。 さて、自分が試したのはここまでである。自分自身後悔はないし、むしろ結果としてアクセルブーストをある程度遊べる機種として再生できたのはむしろ嬉しさまである。しかし何度も言うが、これは自己責任である。本来の遊び方から逸脱した使い方・遊び方である。安全は保障しない。あくまで「こうした結果、こうなった」という記録である。それを留意してほしい。もしこれでもアクセルブーストを購入するのであれば、万が一の為にヨーヨースタンドや100均などでディスプレイボックス等を買っておいた方が良い。最終手段のインテリアとしては申し分ないのだから。